LC475と聞いてピンとくる人は、オールドマックをこよなく愛されているマック愛好家の方だと思います。社会人になって、初めて自宅サーバーを構築したのがこのパソコンです。
その際に参考にさせて頂いた本が「Macintosh インターネットサーバー構築術」です。自宅のマックを使ってインターネットで情報発信ができることを教えて頂きました。当時は自宅でサーバーを公開するのはハードルが高かったのですが、この本のおかげで、実際に試してみながら公開することができました。
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当時はMac用ソフトを使ってインターネットサーバーを構築してました。
「MacHTTP」を使ってウェブサーバー
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「Eudora Internet Mail Sever」を使ってメールサーバー
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「NetPresenz」を使ってFTPサーバーを公開していました。
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ちょっと本筋からそれてきたので話を戻します。
このLC475に電源を入れると起動しなかったので復活させたという話です。
どうしても当時の画面を見たくなって、復活に踏み切ることにしました。
最初に怪しいと思ったのはこのリチウム電池です。LC475はこのバックアップ電池がないと起動しなくなってしまいます。
バックアップ電池の役割は、PRAMの情報保持と電源制御回路へのパワーオン信号の生成を担っています。PRAM情報だけだとPRMAクリアで情報をリフレッシュできますが、パワーオン信号の生成ができなくなると起動しなくなってしまいます。PRAMクリアして、パワーオン信号の生成ができれば起動するはずです。
※PRAMとはパラメータRAMの略で、起動時に必要なシステム情報を保持している。電源を落としても情報を保持するためにバックアップ電池の電源を使っている。(RAMなので電源をオフすると情報が消えてしまうので)
さっそくテスタで電圧を測ってみると、電池切れ(≒0V)でした。
このバックアップ電池が犯人の可能性大です。
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ただ、電池を交換して起動するか不安(他のハードが壊れている可能性もゼロではない)だったので、購入する前に代用できそうなもので試してみました。
以下のように、1.2V電池(eneloop)を2個直列に接続しました。3個接続しようと思ったのですが、都合の良い電池ケースがなく、とりあえず2個で2.4Vにして試しました。
これで起動時のパワーオン信号の生成はできるはずです。
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CPU:68040LC/25MHz
Memory:32MB
HDD:1GB
Ethernet:10Base-T
電源ボタンを押して、PRAMクリアして起動させると、おなじみの起動音がなり無事に起動しました。久しぶりにディスクトップを見ると、懐かしいソフトのアイコンが並んでいます。何だかタイムスリップした気分になります。
※PRAMクリアするには「command + option + P + R」の4つのキーを同時に押し続ける
このシンプルな画面をみると何だか落ち着きますね。
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とりあえず、綺麗に掃除してモニタとキーボードを接続しました。
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この機会にオールドマック(LC475)を起動できるようにしておこうと思い、リチウム電池の購入を決断。Amazonで3.6Vリチウム電池が425円(送料無料)だったので購入しました。
新しい電池に交換して、ネットワーク接続をおこない、サーバーを起動してみました。
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ちょっと、ケーブルが邪魔だったので、Ehternet Converterを使って無線接続に変えてみました。
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20年前のマシンが普通に起動するのは、ハード構成がシンプルでしっかりしているからですね。これからは1週間に1回は起動するようにしたいと思います。
LC475(発売日:1993年10月21日)とラズパイ4(発売日:2019年11月26日)を見比べてみると、26年間の技術進化を垣間見ることができます。
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どちらもハード構成がシンプルなので扱いやすのが良いところですね。
そういえば、ラズパイ4のファームウェアはEEPROMに書き込んでいるので、電源が落ちても情報は消えないですね。ラズパイにはBIOSがないので、電気的に書き換え可能なEEPROMがこの役割を担ってるんですね。EEPROMだと電源オフでも情報が保持できるし、電池の心配もいらないので安心ですね。
ただ、電源が起動しないと何もできないので、バックアップ電池にパワーオン信号の生成をやらせるのはちょっと怖い気がしますね。
家でオールドマックが眠っている場合は、試してみてください!
追伸、PM8100とPM9500も分解して電池交換で復活しました。
とりあえず、我が家のオールドマック3台は起動するようになりました。
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「PowerBookTi」も元気に起動しています。
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末永くメンテしながら付き合っていこうと思います。